冬だけでなく、夏も手足が冷たく身体も冷えている。

そのようなことはありませんか?

冷え性は、生理痛や生理不順にまで影響していることがあります。

身体が冷えてしまうと子宮や卵巣内の血行不良がおこり、働きが低下します。

血行不良を起こしている子宮は、経血や内膜を排出するときにプロスタグランジンという物質が過剰に分泌され、これが生理痛の原因になります。

また、女性ホルモンは、卵巣から分泌されるためホルモンバランスが乱れて生理不順がおこりやすくなってしまうのです。

身体の冷えからくる不調と、温活の方法、NGルールをご紹介します。

この記事を読んで、ポカポカで調子の良い毎日を手に入れましょう。

冷え性がもたらす身体への影響 

冷え性は、身体にさまざまな影響を及ぼします。

<冷え性チェック>
当てはまるものが1つでもあれば、冷え性の可能性があります。

  • 手足がいつも冷たい
  • 身体がむくみやすい
  • 肩こりや腰痛がある
  • 便秘や下痢をしている
  • 生理痛や生理不順がある

女性の8割は冷え性だといわれています。

冷え性とは、血流が滞ることで血行不良になり、体温を一定に保つ機能が働きにくくなることです。血流が悪くなることでさまざまなトラブルを抱えてしまいます。

ここでは、冷えからくる「女性特有のお悩み」である2つの症状を、詳しく説明していきます。

生理痛

生理痛や痛みを感じる時、痛みの元となる「プロスタグランジン」という物質が過剰に分泌されます。これが脳に痛みを感じさせてしまうため、生理痛、月経に伴う腹痛や胃痛がおこりやすくなります。

「プロスタグランジン」とは、子宮の内膜で分泌され、月経が始まり内膜が剥がれ落ちる際に増えて子宮を収縮させ、血液を排出させる働きを持つ物質です。

なぜ、冷えているとプロスタグランジンの過剰分泌がおこるのでしょうか?

プロスタグランジンの過剰分泌は、子宮が冷え、血行不良になっているため、収縮が通常の分泌量では十分に行われないことが原因のひとつです。

プロスタグランジンが血流にのって脳へ届くことで強い痛みを感じさせてしまい、子宮筋の収縮を過剰に引き起こすので、月経痛や周りの胃腸への動きにも影響を与えてしまうことで、腹痛や胃痛も引き起こしてしまいます。

生理痛を少しでも和らげるためには、子宮を柔らかくしておく、つまり血流を改善するような行動を取るとよいでしょう。

生理不順

月経周期に関わる女性ホルモンは、卵巣で作られ分泌されています。

身体が冷えてしまっていると、卵巣への血流も悪くなり卵巣自体の働きが低下します。

女性ホルモンは、排卵を起こし、受精するための準備を整えるサイクルの維持も担うため、分泌されるホルモンのバランスが崩れると、排卵がおこらなかったり、生理周期が不安定になってしまいます。

つまり、生理不順は、冷えによるホルモンバランスの乱れも原因のひとつです。

このことから、冷え性は生理痛や生理不順に関係があるといえます。

しかし、生理痛や生理不順は婦人科系疾患が原因の場合があります。気になる症状があれば、早めの受診を心がけましょう。

温活のススメ

冷え性を改善する方法に「温活」があります。ここでは4つの温活をご紹介します。

①腹巻をする
②湯船につかる
③運動
④食べ物

①腹巻をする

腹巻をすることで、直接触って温めることができない子宮や骨盤周りを温めることができます。

「モコモコとした素材は普段使いしにくい」というイメージがあっても、シルクの薄い腹巻を使うとファッションのじゃまにならず、場所や時間を問わず使用できます。

ただし、お腹を絞めつけるものは下半身の冷えにつながるので、避けてくださいね。

②湯船につかる

40℃前後のお風呂に、10~15分ゆっくりと肩までつかる方法がおすすめです。入浴が10分未満だと、逆に身体の内部の温度を下げてしまうという研究結果も出ています。

10分以上の入浴で全身を温めることで、血流が良くなることに加えて、むくみや肩こりも解消しやすくなります。

42℃以上のお湯に入ると、交感神経が活発になり興奮状態になってしまい、血管が収縮して血流が阻害されるので、お風呂の温度には注意が必要です。

ゆっくりとつかる時間がない!

という方には、「仙骨を温める」ことをおすすめします。

仙骨は、腰の真ん中あたりにある手のひらサイズの骨で、ここを温めることで血流改善が期待できます。

少し熱めのシャワーを30~60秒ほど当てると、ポカポカしてきますよ。

③運動

冷え性の方は、筋肉量が少ないことも…。

筋肉を使うことで熱が生まれ、身体を動かすことで血流を促進できますので、手っ取り早く冷え性を改善させるには運動が有効です。

ただし、運動しすぎるとホルモンバランスが乱れてしまうので注意が必要です。

④食べ物

血流を促進させる食べ物を食事に取り入れるとよいでしょう。

冷え性改善で有名な食べ物には、「生姜」があります。その他にも、薬味などの香味野菜は全身の血流を良くして、冷えを防ぐ働きがあります。

たんぱく質などの身体の冷えを防ぐために必要な栄養素は、生姜と一緒に摂ることでスムーズに消化・吸収させることができます。

その他にも、冬が旬の食べ物や寒冷地で収穫できる食材には、身体を温める作用が期待できます。

温活にNGルールはある?

温活に取り組んでいても、実は温活効果がないものがいくつかあります。

冷え性を改善していく時にNG習慣を取り入れていると、なかなか改善が進みません。

NG習慣を知り、OK習慣に変えて冷え性改善をサポートしましょう。

<NG習慣>

  • 起き抜けの白湯
  • グリーンスムージーで野菜を摂取
  • アルコールを飲んで身体を温める
  • 靴下をはいて寝る

起き抜けの白湯

白湯を飲むことの効果のひとつに「内臓を温めて、冷えを改善する効果」があります。そのため、白湯を飲むこと自体は温活にあたります。

しかし、温かい飲み物をまとまった量飲むことで、身体に水を溜めてしまい、身体を冷やすことに繋がってしまいます。

身体を温める目的で飲むのであれば、ひと口ずつ飲む、白湯に生姜、シナモン、蜂蜜、梅干しなどの温活効果があるものをプラスするなどのやり方にするとよいでしょう。

グリーンスムージーで野菜を摂取

体温より低い野菜をグリーンスムージーで摂取すると、身体が冷えてしまいます。

飲むことで胃腸の温度を下げてしまい、消化酵素の働きが鈍くなり体調へ影響してしまう可能性があります。

もし、グリーンスムージーを飲みたい場合には、寒冷地で採れる果物のリンゴや根菜のニンジンなどを使うことで、身体を冷やしにくくしてくれます。

アルコールを飲んで身体を温める

アルコールを飲むと身体が熱くなるので、温まっていると思われますがそうではありません。

アルコールは体内で分解するときに大量の水が必要になり、血中濃度が高まって血管が収縮してしまうため血行不良がおこりやすくなります。

どうしても飲みたい場合は、血流を良くする成分が含まれる日本酒や赤ワインを選び、飲み過ぎない程度にとどめて楽しんでください。

靴下をはいて寝る

靴下をはいて寝ると、足先を温めてくれるのではなく、逆に熱くなりすぎて汗をかきさらに冷えてしまうことや、うまく熱が放出できないことで睡眠の質を下げてしまうこともあるでしょう。

また、靴下の締め付けがキツイと血流を妨げてしまうことも考えられます。

緩めのレッグウォーマーや、足元に湯たんぽを置くなどの対策をすると、足先が温かく眠ることができます。

さいごに

身体が冷えてしまうことで、自覚症状がある人もいれば、ない人もいます。

特に、生理痛や生理不順は身体の冷えに大きく関連しているので、対策をすると少しずつ改善できる可能性もあります。

ただし、改善しない場合や痛みが強くなる場合には、婦人科系疾患が原因の場合があります。気になる症状があれば、早めの受診を心がけましょう。

自分にあった温活方法を試して、ポカポカな身体で毎日を快適に過ごせるようにしてくださいね。