生理前に感じるイライラや疲労感、どうしてもコントロールが難しいと感じることはありませんか?
この原因のひとつとして、セロトニン不足が挙げられます。
セロトニンは「幸せホルモン」として知られており、精神の安定に深く関与している脳内物質です。セロトニンが不足すると、感情のコントロールが難しくなり、疲れを感じやすくなります。
特に生理前になると、ホルモンバランスの変動によってセロトニンの働きが低下し、精神的・身体的に不調を感じることが増えます。
本記事では、セロトニンが不足する理由や、セロトニンを補うための具体的な方法を食事と生活習慣の観点から詳しく解説します。セロトニンの分泌を促進し、生理前の不安定な時期を少しでも快適に過ごしましょう。
セロトニンの重要性
「幸せホルモン」として有名なセロトニンは、自律神経を調節して、心と身体のバランスを取ってくれる脳内物質のひとつです。
セロトニンはメンタルコントロールや精神の安定に深く関与しています。
セロトニンの主な働きは以下の通りです。
- 喜びや快楽などの伝達物質であるドーパミンのコントロール
- 恐怖や痛みなどの伝達物質であるノルアドレナリンのコントロール
セロトニンが不足してしまうと、これらのコントロールが上手く回らず、バランスを崩しがちになってしまいます。その結果、怒りっぽくなったり、不安感が強くなったり、食べ過ぎてしまったりすることがあります。
そのままの状態が続くと、うつやパニックなどの精神障害を発病してしまうこともあるので気をつけたいですね。
セロトニンは生理前になると減る?
感情のコントロール作用をもつセロトニンは、生理前になると機能が低下しやすいことがわかっています。その理由は、エストロゲンの減少です。
エストロゲンは、脳内でセロトニンの正常な働きを守り、合成を促進させます。エストロゲンは排卵までが分泌ピークとなり、排卵後から月経開始まで減少していきます。
そのため、セロトニンも減少してしまい、感情のコントロールや不安感の強まりなど精神的に不安定になりやすいのです。
セロトニンを補う方法

このように感情を大きく左右させるセロトニンの元は、必須アミノ酸であるトリプトファンです。体内で作られるセロトニンの90%は腸で作られていることもわかっています。
また、睡眠ホルモンである「メラトニン」とセロトニンには、深い関係があります。セロトニンが体内に蓄えられていることでメラトニンが作られ、質の良い睡眠が取れるでしょう。
では、どんなことをすると、セロトニンをより効果的に分泌できるのかみてみましょう。
日常生活編
セロトニンの元を食事から摂取した後には、分泌を良くする方法も取り入れましょう。分泌を促すには、以下のことを意識してみましょう。
- 日光浴をする
- リズム運動をする
- 人と交流する
それぞれ詳しい方法をみてみましょう。
日光浴をする
日光浴といっても、いつ日の光を浴びるのかも大切です。起床から30分までに朝日を浴びると、目から入る光がセロトニンの分泌をより促してくれます。
時間としては、10〜30分程度で、皮膚に光を当てる必要はないので帽子や日傘をさしても問題ありません。
リズム運動をする
一定のリズムで動く運動を行うとセロトニン分泌が促せます。例えば、ウォーキングやジョギング、筋トレなど軽いものでも大丈夫です。
深呼吸を一定リズムで行うことでも効果があるので、運動が苦手という人にもおすすめです。
時間は5〜30分ほど「集中」して毎日「継続」することを意識して行ってみてくださいね。
人との交流
人と楽しく会話をしたり、スキンシップをとることで、オキシトシンが分泌されます。このオキシトシンは、セロトニン分泌を促してくれることがわかっています。
ペットや恋人、子どもとの直接的なスキンシップだけでなく、仲の良い友人とのおしゃべりや家族の団らんなどでも有効的です。
食事編
セロトニン合成に関わる「トリプトファン」と「ビタミンB6」を摂ることは意識したいところです。特に、トリプトファンは体内で合成されないアミノ酸のため、食事やサプリで取り入れることが大切です。
◯トリプトファンを含む食べ物
- 大豆などの豆類
- 乳製品
- じゃがいも
- マグロ、さけ
◯ビタミンB6を含む食べ物
- カツオ
- バナナ
- 牛レバー
- ブロッコリー
その他にも、炭水化物やマグネシウム、ナイアシンも生成に関わります。
また、よく噛んで食べると、よりセロトニンの分泌が促せます。
食事で一気に取り入れるのではなく、バランスよく摂取していきましょう。
まとめ
セロトニンの分泌によって、感情や行動がコントロールされます。分泌不足になってしまうと、感情や精神面だけでなく、肉体的な疲労も溜まりやすくなってしまいます。生理前は、エストロゲンの影響もあり、セロトニンが不足しやすい状態です。
そのため、食事や生活習慣によってセロトニンを補うよう心がけましょう。
楽しいひとときを過ごすことでも補えるので、試してみてくださいね。
