化粧品を選ぶ際の基準はメーカーやブランド、効果や効能、コストパフォーマンスなど多岐にわたりますが、“天然素材”や“無添加”を求める需要が高まっています。その中で、よく耳にする“パラベンフリー”は低刺激化粧品として重要視される言葉です。ただし、パラベンに問題があるという説明を聞いたことがありますか?今回は、パラベンのお話をはじめ、安全な商品を選ぶ際の基準について、解説します。
パラベンとは?
防腐剤として使われているパラベンは、多くの化粧品、食品、医薬品において一般的に使用されています。パラベンの物質名はパラヒドロキシ安息香酸エステルで、しばしばパラオキシ安息香酸エステルとも呼ばれます。
化粧品の中でも、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、ブチルパラベンの4つがよく使用されています。その中でも、メチルパラベンは殺菌力が強く、肌に刺激を与えにくいため、化粧品によく使われています。
しかしながら、パラベンには人体への悪影響が指摘されており、使用には注意が必要です。特に、ヒトのホルモンバランスを妨げる可能性があるため、長期的な使用は避けるべきです。代替として、天然由来の成分を使用した化粧品を選ぶことが推奨されています。
パラベンフリーとは?
化粧品には、菌や微生物の繁殖を防ぐために防腐剤が配合されているものが多くあります。防腐剤として使用が許可されている成分は数十種類あり、成分表示にフェノキシエタノール、安息香酸Naなどの記載があれば防腐剤が配合されていることがわかります。
開封後も常温で長期間保管される化粧品は、空中に浮遊する菌や指に付着した菌が侵入することがあります。また、水分や栄養分が豊富なため、微生物の繁殖が容易です。そのため、化粧品メーカーは防腐剤を用いて、菌の繁殖を防ぐ工夫をしているのです。
菌の繁殖を防ぐ工夫というのは、防腐剤を配合するだけでなく、例えば容器の口を小さくする、短期間で使い切れるよう容器を小さくするなどもあります。ただし、防腐剤が配合されていない化粧品は、菌の繁殖が進んでいる可能性があり、皮膚トラブルを引き起こすことがあります。
そのため、「絶対に防腐剤は避けた方がいい」という訳ではありません。
パラベンフリーのコスメは肌に効果的?
パラベンフリーが全てお肌に良いとは言えません。一方で、防腐剤は菌の増殖を防いで、化粧品が腐らないようにしてくれるため、パラベンは防腐剤の中でも優れた効果を持ちます。そのため、パラベンが配合されている化粧品を選ぶことにより、保湿や美白、紫外線カットなどの機能が保たれ、質の良い化粧品を選ぶことができます。
日本では、化粧品に対するパラベン使用量に上限が決められており、市販品のほとんどが0.1~0.5%の配合量に抑えられています。そのため、パラベンアレルギーの方やパラベンが肌に合わない方以外は、ごく少量の配合量に抑えられたパラベンを気にする必要はありません。
ただし、パラベンフリーの化粧品は、パラベンについて気にする方にとっては良い選択肢となります。また、パラベンに代わる防腐剤として、植物由来の天然成分が使用される場合もあるため、個人の好みに合わせて選ぶことができます。
つまり、パラベンフリーが全てお肌に良いとは限らず、パラベンが入っている化粧品でもごく少量配合されている場合は、お肌に影響を与えないことが多いということです。そのため、パラベン以外の選び方も意識しながら、自分のお肌に合った製品を選ぶことが大切です。
デリケートゾーンの黒ずみに
<薬用美白クリーム 40g>
デリケートゾーンに適した安心安全な処方を追求し、効果と低刺激性の両立を叶えました。有効成分であるアルブチン、トラネキサム酸を有効量しっかりと配合。厚生労働省の認可を取得している、医薬部外品です。
デリケートゾーンのニオイ・かゆみに
<薬用マイルドケアウォッシュ 200mL>
病院で処方薬にも使用されているミコナゾール硝酸塩(抗真菌)とイソプロピルメチルフェノール(殺菌)を配合。殺菌効果を追求しつつも、デリケートゾーンに必要な常在菌は残し、かゆみやニオイの元となる菌を取り除きます。
成分における注意点
現在、食品や化粧品など様々な商品に添加されている防腐剤として、パラベンが使用されています。しかし、ほとんどのパラベンは化学的に合成されたものであり、その安全性について議論がされています。
一方、自然界にも存在するパラベンがあり、野菜や果物などに含まれています。食べ物から摂取するパラベンは体内に吸収されますが、分解されて排出されるため、安全面では問題ないと考えられています。
ただし、パラベンは紫外線や熱によって分解されるという性質があり、商品の保存状態によっては防腐効果が低下することがあります。そのため、保存環境にも配慮が必要です。
製品の「全成分表示」をチェックする
通常の化粧品にも「全成分表示」が義務づけられています。『薬機法』によると、化粧品に限らず、医薬品や医療機器でも同様に全成分表示が求められています。なお、薬用化粧品は法律によって保健機能食品や医薬品に分類され、別の規定が適用されるため「全成分表示」の義務はありません。
製品を使う際は「全成分表示」をチェックすることで、過去に起きた肌トラブルの原因を特定し、同じ化粧品成分を避けることができます。全成分表示義務は、単に成分を明示するためだけでなく、アレルギー等の健康問題を抱えた人々以外にも、安全性と品質を保証するために非常に重要な制度なのです。
避ける必要のある化粧品とは?
化粧品成分について、パラベン以外に避けるべき成分があるかという疑問には、答えが「人それぞれ」であるとされます。化粧品に含まれる成分は、人によってアレルギーを引き起こす可能性があるため、無害であるとされる成分でも個人によっては危険な場合があります。
それでも、疑わしい成分を把握しておくことは重要です。自分にとって異変を感じる化粧品の成分をチェックすることで、次回からの化粧品選びに役立ちます。化粧品に対する「人がダメって言うから私も使わない」という考え方はなるべく控えて、理由を確認してから、自分自身にとって必要な成分かどうかを判断する習慣を身に着けることが大切です。
まとめ
化粧品に使用される防腐剤パラベンは、過去には体への有害性が疑われていました。しかし、最近の研究により、パラベンによる健康被害はほとんどないということが判明しています。
しかし、肌の反応には個人差があるため、肌に触れる製品を使用する前には配合成分に注意することが大切です。商品に含まれる成分には、必要な成分が含まれているかどうか、自分に合わない成分が含まれていないかどうかを見極めることが必要です。